2022年3月14日に行われた「#新しい不動産業 Meetup」4日目のセッション5。河田亮一さん(加和太建設 代表)と結城 創さん(中城建設株式会社 代表)に、矢部 智仁所長(新しい不動産業研究所)が聞く。ふたりの共通点は、1946年創業の建設業三代目。ということだけではなさそうだ。 ※ 研究所会員は全てのセッションをノーカット映像でご覧いただけます。
加和太建設が進める「地方建設業のアップデート」
創業76年の加和太建設代表河田さんが目指すのは、地方建設業のアップデート。静岡県東部を、世界が注目する元気なまちとすること。これまで、ものづくりとして、土木事業や、工場、学校、病院等の建築事業を行なってきた。ことづくりとして、施設の運営を行い、まちづくりとして、「まちなか開発」というユニークな取り組みを行なっている。「まちなか開発」は、静岡県三島市の中心市街地にデジタル/クリエイティブ人材や企業を誘致し、関係人口を増やしながら、まちの課題解決や魅力発信に対して新たな手法を導入し、まちの発展とまちを好きな人を増やそうとする取り組みだ。現在17物件に対し、15億円を投資。廃業した店舗や、廃園となった幼稚園の利活用、商業施設をスタートアップスタジオにリノベーション。自社社屋も開けた場にしていこうと計画を進めている。
中城建設「つくるだけでなく、そだててささえる」
同じく1946年創業の中城建設株式会社の結城代表。仙台で建設事業、不動産賃貸業をはじめ、幅広く事業を拡大している。まちは成熟し、暮らしは豊かになったが、まちのコミュニティは衰退、崩壊してしまってはいないだろうか?と課題を持つ。つくるだけでなく、育て、ささえることで、社会課題を解決するまちづくり企業を目指す。最近では「まちワク。ファンド」を事業の中核に据え、空き家再生と、障がい者の自立支援のマッチング等新しいチャレンジを進めている。
新しいチャレンジへ
公共事業への必要性は感じつつも、将来続くかという不安もあり依存を変えたいと思っていた、河田さん。震災直後の津波が引いた後の国道の復旧の時、ライバルであり仲間の企業が助け合ったと言う結城さん。共通点としてあるのは、周囲との関係性を変えていきたいという課題だ。
おふたりの共通点は多い。社会課題の解決に挑み、地域で活躍している方々と連携し、地域への目線の解像度は高く、常に外の世界を知ろうとする。隔てるものがなくなっていく。建設と不動産はわける必要がないのだろう。