「#新しい不動産業 Meetup @大阪」が、2022年3月12日、梅田パシフィックビルディングで開催された。大阪セッションの6つ目は、#新しい不動産業研究所を運営する、エンジョイワークスの福田和則代表が、みなさんとアクションするこれからの#新しい不動産業の「仕掛け」をお伝えする。矢部智仁(#新しい不動産業研究所 所⻑)が聞く。
※ サマリーでお伝えします。研究所会員は全てのセッションをノーカット映像でご覧ください。
「参加型まちづくり」を通じた15年の活動で分かったこと
エンジョイワークス ( https://enjoyworks.jp/ )のミッションは、「ライフスタイル(暮らし方、働き方、生き方)について自ら考え、自ら選択することのできる仕掛けを提供し、共創する機会を生み出すことで、持続可能で豊かな社会の実現に貢献します。」これまで、ミッション達成を第一に「参加型まちづくり」の仕掛けやツールを提供してきた。特に2018年頃からは、地域プロデューサー人材育成、共感投資プラットフォーム構築に力を入れている。新しいハードはそれほど必要ではない。「つくる」から「育てる」まちづくりに力を入れている。
持続可能性の高いエリアマネジメントの課題とソリューション
地域活性や地方創生につながる持続可能性の高いエリアマネジメントが困難なのは、行政財源に頼る傾向が強く、自治体としては予算組みとして継続的な施策が打ちづらいため。事業育成も断片的で育成から実戦へというフローがワークしてこない。
共感と投資を集める「#新しい不動産業」の具体事例
投資型クラウドファンディングにさまざまな仕掛けを組み合わせた共感投資プラットフォーム「ハロー! RENOVATION ( https://hello-renovation.jp/ )」、人材育成の環境づくりとして「次世代まちづくりスクール」の運営、行政、金融機関、地域の方々も巻き込んでいく「空き家再生プロデューサー育成プログラム」を提供している。共感が集まっていく具体例として、蔵を再生した「Bath & Bed Hayama」を紹介。そこには投資家と事業者との新しい関係が見えてくる。
投資家も事業に参加できる投資型ファンドの展望
投資していただいた方は、事業及び事業者への共感と、事業への参加意欲、投資家コミュニティへの関心、自身もいずれ事業を行いたい、社会的環境的インパクト関心、財務リターンへの期待と、さまざまな意見や希望があるそうだ。共通点を拡張するように、テーマ別、地域別のファンド設計に取り組んでいる。人材、組織、地域ファイナンスに注力していくと、持続可能なエリアマネジメントが実現できる。
クロストーク:共感を集める「新しい不動産業」を実現するには
タッチポイントを多く増やしていく。自身のはたらく地域で実践していく。自信が想像できるスケール感で取り組んでいく。同時にそれが金融商品であると、同時に見ることに新しい視点を生み出していくことになるはずだ。
ハロー! RENOVATIONに期待されるのは、他の不動産投資サービスと違い、資金調達だけでなく、人の関わりを通じて、多くのタッチポイントでの「共感」を集めていくチャレンジ。投資だけで成立しない部分に目を向けることが重要であり、その先に善意の投資いうものも見えてくる。可能性に気づかされるセッション。
●登壇者紹介
矢部智仁(やべ・ともひと)
#新しい不動産業研究所 所⻑
合同会社 RRP 代表社員
東洋⼤学⼤学院 公⺠連携専攻 客員教授
1987 年株式会社リクルート⼊社、住宅情報部⾨に配属。2009 年からリクルート住宅総研、 所⻑として業界動向の調査、ロビー活動に従事、⾏政設置委員会の委員等を歴任。2014 年に建設・不動産業界を顧客とした経営⽀援コンサルタント企業に移り、地域密着企業の⽀援に携わる。2021 年から合同会社 RRP 代表社員。 東洋⼤学⼤学院客員教授(PPP ビジネス担当)、公益社団法⼈ ⽇本不動産学会監事、国⼟交通省 PPP サポーター。
福田和則(ふくだ・かずのり)
株式会社エンジョイワークス 代表取締役
1974年兵庫県生まれ。外資系金融機関勤務を経て、2007年エンジョイワークスを設立。行政や事業者任せにしない「まちづくりや家づくりのジブンゴト化」による豊かなライフスタイル実現をテーマに不動産及び建築分野において事業展開を行う。 2017年、空き家・遊休不動産の再生・利活用プラットフォームであるユーザー参加型クラウドファンディング「ハロー!RENOVATION」をリリースし、まち・ひと・お金の新たな関係性構築に取り組む。